焼き物の絵の描き方は? 赤絵町 皿山なぜなぜ43

赤絵町 PHOTO
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 陶土で作って乾燥した素地を約九百度で焼いたものを素焼といいます。この素焼に酸化コバルトを主成分とする呉須という絵具で、りんかく線をかいたり、りんかく線の中を塗りつぶすこと(有田では「濃」という)を下絵付といいます。濃筆は鹿の毛で出来ている太い筆で、指で毛をおさえて、呉須液の量を調整することによって色の濃淡を表現します。下絵付の技法を習得するには長い訓練が必要です。呉須は中国の唐・明の時代から使われ、私達の町でも広く使用されています。白い焼き物にはこの呉須の青色がとても似合います。下絵の色は青色のほか、黄、極、桃、緑色などがあります。下絵付がすんだら馳薬をかけ約1300度で焼くと素地は白く、固く焼きしまり、表面は軸薬がとけて透明の光ったガラス質になっていて、その下に呉須で描いた模様が映ります。
 雑薬の下に模様を描いた下絵付に対して、雑薬のとけたガラス貿の表面に、赤・黄・群青・黒・紫・緑・金・銀色を使っでさまざまな模様を描くのを上絵付といいます。絵付を終った焼き物は、上絵窯に入れ約八百度で焼くと、とてもきれいな色ができます。
 上絵付の技法は1646年(正保3)に中国から伝わったものを柿右衛門が始めたといわれています。上絵付したものを赤絵ともいいますが、赤色だけを使ったものではなく、濃手の仕事他の色も使って描いたものをいいます。上絵付の絵描きの仕事はまず、粉状の絵具をすりつぷす作業からはじまり、何日もかけてすります。大変な忍耐と年月を要し、それからやっと絵を描くことができるようになります。
 このような手描きが有田焼の特徴ですが、近年、自動化された機械による大量生産の焼き物ができるようになり、シルクスクリーン印刷やオフセット印刷により模様を転写する方法も行われています。新しい生活環境のなかで、焼き物のデザインも消費者の好みに応じて、さまざまなものが作られるようになり、高度な印刷技術により新しい絵付の分野が生まれています。
(金岩昭夫)

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