六地蔵は、死者が死後にゆく地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上のいわゆる六道のいずれをたどってもその魂を救済するため墓地の入り口や村の辻にまつられた。
古くは人が亡くなったとき、寺の境内や六地蔵のある広場で葬儀を行い、死者の霊を弔っていた。
六地蔵には二つの形式があり、ひとつは六体の地蔵を一石で彫ったもので、室町時代の後期から江戸時代の前期にわたって作られた。もう一つは一体ずつ六体の地蔵を彫ったもので、江戸時代の中期以降から現れた。
有田町には後者のものが、ここ泉山の地に、岩谷川内、稗木場の報恩寺門前、大樽の三空庵広場などにも残っている。